Rio Box

19/02/13 WED.



「じゆうの箱展のこと」

ギャラリーえがくさんにて、「じゆうの箱」展に参加させていただきました。
立体作品の展示は初めてです。
展示経験自体とても少ないのですが。
それでも「箱」を制作することは本当に楽しみでした。
友人がジョセフコーネル好きだったことも影響して、箱作品にはずっと興味を持っていました。
一つの決められた枠。
イラストも枠はありますが、
立体的に触れる物質なので、存在感がやっぱり違います。
えがくさんで白い箱を手渡された時、その物質を感じて嬉しく思いました。

完成までにこんな場面があった、というのを残してみようかと思い。。


最初は箱を手にした嬉しさで、持ち帰ってすぐ、家にあるいろんな雑貨やらをかき集めて配置。
この辺はジョセフコーネル風になんかつくれないかな、とかあつかましくも思っていました。
それでも自分の気に入っているものを配置する作業はそれなりに楽しくて。
それからそのまま少し放置。

真っ白なままの箱はなんだかちょっと違うな?と思い、
絵の具や色鉛筆を使って子供が自由に絵を描くような感覚になれたらと、
あんまり考えずに色をつける。



なにも考えず適当なので、下手とかそういう基準がない(はず)。
(でもこの落書き、今見るとちょっと恥ずかしいです)
自由な落書きって楽しいねとか思って、
そう思うと気持ちが楽になって、
また休憩。



絵の具は小学校の時に使っていたサクラの水彩絵の具が残っていて、
まだ固まっていない色があったのでそれを使ってみました。



それからどうしよう、なにを使おうかな?と考える、わりと楽しい工程。
気に入ってるけど使い所に迷っているアイテムをいろいろ配置。
モチーフが気に入ってるものだから、自分としてはどうやってもそれなりに可愛く見えてしまうんだけど、
これって、雑貨屋さんのディスプレイ考えてる感覚と似てるんじゃないかなぁ。
それなら好みの雑貨屋さんに足を運ぶ方がいいんじゃなだろうかとか考え出すと進まなくなったので、

ええい、とりあえず土台じゃー!箱塗るぞ!と
なんとか下地が完成しました。



本当は黒だけにしようかなと
少し前に見た作家のモノクロのイラストがすごくかっこよくて、
思いっきりそれに影響受けて、モノクロじゃい
っておもったんだけど
黒い絵の具がうちにはなかった。
一個はあるんだけど、ちょっと一気に大量には使いたくないやつ。
買いに行けばいいんだけど、今回自分で決めたルールとして、「家にあるものだけをつかってつくる」
というのがあったので、
家にあった紺とパールブルー、これを塗りたくる。青系の色が好きです。
絵の具の性質の違いで、下地の色が若干溶けて混ざったりしてるんだけど、
あんまり気にせず塗っていく。
そしたら、楽しくて。この箱の状態がなんだかかっこよく見えたりしました。
完成よりこの下地の状態の方が気にいっている気がします。
乾くまでしばらく放置。
乾くまでの時間は手がつけられないので眺めるしかないのですが、
それがちょっといい時間でした。

それから、



これは使おう、と思っていた木片を並べていき、
持て余していた廃材を配置してみたら、なにやら妙に合う気がして。
それからもう一度、何を作ろうとしているのか、に戻る。
漠然と「かっこいいもの」「面白いもの」を作りたいって思いがちだけど、
そこを目標にしても悩んでしまってなかなか作れない。
自分の箱が家に帰ってきた時に、おかえりって思えるものが作りたいなぁ。そこは大事にしたい。
思いを込めて内なるものを表現・・・・とか思ってみたりしたけど、
熱量と技術と経験値がかみ合わなくてうまくいかなかった。
だからシンプルに、「飾り棚」の形にしてみよう。
家具として、使える棚を。

<作品>としてその発想はダメなんじゃ、とかよぎったけど、
もともと<作品>という言葉が気恥ずかしくて苦手だし、
それよりも作ってみたい、これなら自分でもほしいって思えるものが作れるかも、と思って。

使おうとしてる廃材がちょうど良くて、
仕切りにもなるし、釘の頭が3本出ていてちょうど何かかけられそう。
大体の方向性はきまった。



ベースが完成したところで、今までずっと使いどころになやんでいた、
お気に入りの時計の文字盤をぽんと置いてみる。



文字盤だけおいた写真を撮り忘れてたのが残念なんですが、
ぞぞぞっとくる絶妙なバランスで、急にぐっと意味を持つようなモノに変わりました。
時計自体が意味を考えてしまうモノであるということももちろんですが
この文字盤の白とそれ以外の部分の対比が、地平線に浮かぶ満月みたく見えました。
空が広く見える開けた海辺で見る満月。
以前見た光景とも相まって、何か物語があるように見えてきました。

全体像が見えたので、あとは足し算引き算しながら、何を選ぶかです。
以前雑貨屋さんで佇まいに一目惚れして購入した、バングラディシュの民芸品の鳥。
きっとバングラディシュの工場で働くおばあさんが作ったもの。ありがとう。
これは使いたいなと思っていたので、そうするともう時計に鳥。
これはもう鳩時計。
テーマが決まりました。



時計、鳥、棚
時計塔ってものもあるし、「時計棚」
鳩がいるから「鳩時計棚」
なんか金色っぽいし、「黄金の鳩時計棚」
時計と棚と鳥とどれがメインかわからない、でもそれなりに便利に使えそうな棚。
そういう、無駄なのか無駄じゃないのか絶妙なバランスのものが好きみたいで、こういう形になりました。
でも、こう<作品>として展示するものって、プロダクトになってはいけない空気もあります。
それはアートじゃないっていう。
それをごまかすために棚の上にサンゴ貼り付けて。もの置けないようにして。
(これ持って帰ってきたら外して棚として使う予定でいました。)


鳩時計、この鳩はどんな子だろうか。
逃げないように足かせをつけられている鳥?
でもそれはちょっとかわいそう。
時間を伝える仕事を与えられた鳥だけど、面倒くさがりで、
逃げはしないけどずっと寝てたくて、
たまに気が向いたら時報をならして、
泣くのが面倒な時は鐘鳴らして。
はーつかれたーといって寝る。
そういう鳥。この子は。
これでこの箱のストーリーも決定です。

そんな流れでできたこの作品でした。

ベースは、ある方の家や、あるお店の内装にもとても影響を受けています。

ねたばらし、って楽しいかな?興醒めするかな?
わかりませんが、見ていただいたり、良かったよって言っていただいたり
この箱を好きだと言ってくださった方もいて、とてもうれしくてついつい書いてしまいました。

まさかこんな長文を読んでいただけるとは思ってはいませんが、
もし最後まで読んでくださった方がいらっしゃったら、
本当にありがとうございます。心から嬉しいです。

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